【鹿の湯ホテル】スタッフと一緒に、一歩ずつ国際化。part1【三重県】
おもてなしの一環で英語対応やSNS導入
「外国からのお客様割合は、9月以降、これまででもっとも多く全体の約3%に達しました。毎日1組は外国からのお客様。町では海外からのお客様を乗せた大型バスも見られるようになりましたが、当ホテルをご利用の方は、ご家族連れの印象です」
御在所岳の麓、開湯から1300年を迎える湯の山温泉(菰野町)にも、少しずつインバウンドの波が来ています。その一軒、『鹿の湯ホテル』はこれまで、ペットと宿泊できるよう一部改装したり、乳がん等の傷痕をカバーし入浴できるサポーターを備えたりなど、ユニバーサルデザインへの取り組みを進めてきました。
「より良いサービスを提供するのは私たちにとって永遠の課題。外国からのお客様に満足して帰っていただけるよう努力することは、日本のお客様へのサービス向上にも繋がると信じています」
若い頃にワーキング・ホリデーを活用し、オーストラリアで1年半暮らした経験を持つ3代目主人の伊藤裕司さんと、その奥様で若女将の寿美子さんは、この秋から訪日外国人観光客のおもてなしも強化。『Eプレゼンス』のサポートで、サービスやSNSサイトの充実に取り組み始めました。
身振り手振りをまじえ外国人客と心の交流
新たなサービスの一つに、折り紙体験会の実施があります。夕食時に提供している折り紙の箸置きを、実際に宿泊客が折ってみるのです。希望者を募り、夕食後に始めてみました。
「レクチャーするのは私を含め英語ができないスタッフたち。喋れないながらも、実際に折ってお見せし、お手伝いさせていただきます。完成の際はとても嬉しそうです。日本のお客様も参加されますよ」
接客リーダーの池田さんは折り紙ミニ講座のほか、ホテルのFacebookとInstagram更新も担当し、日々のニュース発信に励んでいます。
「仕事の合間に携帯でサッと写真を撮って投稿している為、写真で見せるInstagramが使いやすいです。英語圏の方からメッセージを寄せていただけるようになりました」
一方トリップアドバイザーは、ページの写真を充実。これまでに英語や中国語でレビューが寄せられています。
「ホテル内で週に一度、英会話レッスンも新たに始めました。スタッフと一緒に勉強していますが、私はなかなか上達しなくて(笑)」
若女将の寿美子さんも加わり、スタッフと切磋琢磨している様子。館内で唯一英語と中国語会話ができる受付係の鈴木さんは、座学だけが勉強ではないと若女将やスタッフを励ましています。
「僕の中国語はまだまだ拙いですが、伝えたくて一所懸命です。発音が難しく上手く伝わらないこともありますが、喋るとお客様が直してくださるんですよ。このようなやり取りもまた、お客様との『心の交流』だと思っています」。
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