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“滞在して楽しむ”観光案内所 奈良県猿沢イン-Nara Visitor Center & Inn
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SNS更新だけでは 当初認知されなかった

160705-0008160705-0014 『奈良県猿沢イン』が見込む来館者は、外国人の個人旅行客。彼らをどのようにして集客するか。当初はSNSの活用を考えていたそうです。 「まずは公式HPではなく、Facebookページの作成にあたりました。
公式HPが出遅れた理由はコストの問題、そしてSNSのみで集客が十分可能だと判断されたためです。しかしいざSNSを始めてみると、これが全く拡散・認知されない。しばらくは集客装置としてまったく機能してくれませんでした」


160705-0009 その理由は2つあったと橋口さんは分析します。一つは日本人が外国語で情報発信する難しさ、もう一つがSNS内にある『仲間意識』です。状況を打開する糸口となったのは、奈良県観光PRアンバサダー(大使)に就任したアメリカ人のwebリポーター・ブライアン・バイアーさんでした。 「日本育ちで英語が喋れる私と、アメリカ育ちで日本の魅力を発掘するブライアンとでは、一つの出来事を伝えるための『言葉選び』が全く違うものだなぁと感じています。出だしの挨拶文から違うような印象です。それに、ブライアンは日本の魅力を伝えるリポーターとして長く活躍している人。ネット上に多くの友人・仲間がいるわけです。Facebookは仲間同士で情報を共有するのに強力なパワーを発揮するツールだったようで、ブライアンが担当になってからは、爆発的な勢いでファン数が増加しました」

現場の努力が結果に繋がる Trip Advisor

160705-0011 一方、橋口さんはTrip Advisorのメンテナンスを担当しています。 「こちらは現場の努力がすぐランキングアップに繋がる印象です。サイトの更新が放ったらかしになると、閲覧者数の伸びは鈍くなります。しかしレビューの書き込みに比例するように伸びます。当施設を訪れたお客様にはレビューの書き込みを促すチラシをお渡しし、できれば『今』書き込んで欲しいとお願いするようにしています。もちろん無理のない範囲で、ですが」


 寄せられたレビューには、3日以内に必ず返信することを心がけているそう。評価の星ごとに予め定型返信文を用意しておき、寄せられたメッセージに合わせて都度アレンジを加えて送信しています。
「というわけで似たような文章が並びお恥ずかしい限りですが(苦笑)。さまざまな事業者さんのメッセージを参考にさせていただき文を作成し、ブライアンに最終チェックをしてもらい定型文を作りました。星1つ、2つという厳しいご意見が寄せられることも懸念して低評価用の返信文も用意してあるのですが、幸い、まだ使用に至っていません」


160705-0012 開館から2年目を迎える『奈良県猿沢イン』。webによる集客は『これから』と橋口さんは見ていますが、近隣の宿泊施設や商店からの認知度は少しずつ上がっています。
「言葉の問題で困った宿泊施設のご担当者様から『ちょっと今、お客様と電話を替わるから、直接話してみて』と急ぎの電話がかかってくることもあります」  外国人観光客にとっても、彼らを迎え入れる近隣施設にとっても『頼れる存在』となっているようです。

取材を終えて

三重県から見るとケタ違いの観光地である奈良県。その奈良でも問題意識を持って取り組まれていると知り、インバウンド観光の奥深さを突き付けられましたが、皆様の暖かさと笑顔が心に染みた取材初日となりました。深謝。(編集長/川北)

取り組みPoint

集客

・「奈良県観光PRアンバサダー」の新設
・SNSを活用し、こまめにニュースを発信
・ 時には施設外で呼び込みをすることも

体験

・予約不要の日本文化体験イベントを毎日開催(琴・書道・折り紙など)
・来客者には必ず声かけ

シェア

・SNSへのレビューを促す掲示・チラシ
・寄せられたレビューに対する迅速な返信(定型文を作りアレンジを加える)

取材地Data

奈良県猿沢イン -Nara Visitor Center & Inn-

住所: 〒630-8361 奈良県奈良市 池之町3
電話:0742-81-7461
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