【SUiTO FUKUOKA】「体験」を売る、町の交流館【福岡県】part1
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博多っ子と旅行客が 共に楽しめる場所に
平成27年に福岡空港と博多港から入国した外国人の数は、前年比73・1%増となる208万人(福岡市発表、法務省出入国管理統計月報より)。福岡市は、空港から市街地へのアクセスの良さ、大型クルーズ客船やMICEの誘致成功を背景に、近年インバウンド市場が爆発的に広がっています。街には爆買いを支える大型免税店が幾つも見られました。
「買い物の次に『体験』が来る、と言われていますが、『体験』を提供する私たちは、まだまだその勢いを感じられていません」
そう厳しい見方を示しているのが、昨年オープンした『SUiTO』の女将・七條芙美さん。『SUiTO』は、日本人・外国人の旅行客と、地元博多っ子との交流を「食」や「体験」を通じてむすぶ多機能交流館。東京の(株)イーストが運営母体で、平成27年8月にオープンしました。以来『SUiTO』はインバウンドの先進取り組み実例として国内外多数のメディア取材を受け、七條さんは現在、講演や研修会講師としても活躍中です。
そんな七條さんが身をもって感じている、切り拓く難しさと、その向こうに広がる大きな可能性とは。彼女の言葉からインバウンド誘致の「今」を見ます。
地域の魅力を発掘し 町を盛り上げたい
三階建ての住居をリノベーションし誕生した『SUiTO』。一階には料理長・清水良生さんがオープンキッチンで腕をふるう飲食スペースが、二階にはアイランドキッチンを備えたレンタルスペースが、三階にはレンタル着物がずらりと並ぶ和室が設えてあります。食事を楽しめるだけでなく、グループ貸し切りでセミナーやパーティを開催でき、子ども達がケガなく過ごせる上、和文化体験もできる。そんな、あらゆる交流シーンを想定した作りになっています。
「福岡・食・旅が大好きな私ができそうなことを、全部詰め込みました。私が培った今日までの全てでお客様をおもてなしし、喜んでいただきたくて」
そう語る七條さんの経歴はとてもユニーク。フードコーディネーター、銀座の日本料理店給仕、海外での日本語教師養成、その学校の立ち上げなど。
地域活性化コンサルタント業の経験もあり、その際「外の人」として「地方の人」と交わった経験が『SUiTO』に繋がっていると振り返ります。
「当たり前過ぎて見過ごしていた我が町の資源が、来訪者を喜ばせる『宝』になる。それを目の当たりにした地方の皆さんが、驚き感動して泣いておられる姿に胸を打たれました。私もぜひ『迎える側』になりたいと」
そこで七條さんは『SUiTO』で来客者をもてなす女将になることを決心したそうです。
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